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PICCO LINO

800年前から地域に親しまれている、安産・子育ての宮、山名八幡宮。

その境内に面した築50年以上の空き家を改修し、地場産小麦、天然酵母、水、塩のみでつくるパンの

製造と販売を行う。

麦畑の広がる緑豊かなこの場所で、私たちは時間を掛けて丹念に、削ぎ落とされた素材と向合う、パン

づくりの姿勢を空間にも継承した。

衛生上の白い壁以外を素材あらわしとし、撤去した既存の天井材を棚やカウンターに再利用。新しい

建築要素の添加を抑え、パンの存在が際立ち、時間の力を感じることができるシンプルな空間をつくり

あげた。

決して派手ではない、素朴な姿のパンと既存建物のもつ美しさを丁寧に取り扱うことで、「小麦の味」

「空き家の風合い」「神社の風景」といった、今ある身近なものの素晴らしさに気付き、大切に想える

​生活につなげたいと考えた。

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所在地:群馬県高崎市

床面積:57.56m2

竣工:2016.04

用途:パンの製造・販売

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